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最近，五嶋龍がヴァイオリンを演奏するＪＲ東日本のＣＭが放送されていますね．放送されている地域では，ご覧になった方も多いのではないでしょうか．架線を五線譜に見立てるというアイデアもなかなかだと思います．五嶋龍は，言わずと知れたヴァイオリニスト五嶋みどりの弟なわけですけど，演奏している曲は知ってますか？ヴァイオリン曲好きの方なら，もちろんご存知と思いますが，そうでない人も多いと思われるのでお教えしましょう．ヴィエニャフスキ（1835-1880）作曲「スケルツォ・タランテラ」（中間の緩徐部より）という曲です．
ヴィエニャフスキはヴァイオリン曲を聴かない人にはなじみがないかもしれませんが，いわゆるヴィルトオーゾ作曲家，すなわちヴァイオリニストの作曲家です．彼は，博打好きの大酒のみで，それで健康を害し44歳で死んでしまうのですが，その破天荒さとは裏腹に，ヴァイオリニストならではの華美ながらも洗練された曲ばかりで，２つのヴァイオリン協奏曲に加え，およそ20曲の小品が残されています．この中でも，華麗なるポロネーズ第1番はアンコールなどで良く演奏され，小品集にも必ずといっていいほど収録されています．（家にあるレーピンやヴェンゲーロフのＣＤにも入ってます．）スケルツォ・タランテラはその次でしょうか．ちなみに，華麗なるポロネーズと伝説曲（レゲンデ）がヴァイオリン教本に入っていました．弾けませんけどね．ヴァイオリンを習ったことのある方はわかると思いますが，教本の順としてカイザー，クロイツェル（ベートーベンがソナタを献呈したヴァイオリニスト）と来て，ローデとパガニーニのカプリースの間あたりにヴィエニャフスキのカプリースが使用されたりもします．
それで久々にこの曲が聞きたいと，持っているＣＤを探したのですが，なんと無い！それでインターネットで物色すると，NAXOSでサンプル（というか全部）が聞けるのを発見しました．この曲を聴いたことのない方はどうぞ(8.550744)．更に検索すると，ヴィエニャフスキの17曲を収めた作品集を発見して思わず購入してしまいました(CD ACCORD:ACD 106-2)．クルカを始めとしたポーランドのヴァイオリニストによるすばらしい演奏です．
華麗なるポロネーズだけなら，お気に入りのヴァイオリニストで，私みたいに全部聞いてみたいなら，このＣＤがおすすめです．
＜収録曲＞（作品番号順）
ポーゼンの思い出 Op.3
華麗なるポロネーズ第1番ニ長調 Op.4
モスクワの思い出 Op.6
カプリッチョ＝ワルツ ホ長調 Op.7
言葉のないロマンスと優雅なロンド Op.9
新しい手法，エチュード・カプリース Op.10
ロシアの謝肉祭 Op.11
２つのサロンのマズルカ Op.12
創作主題による変奏曲 Op.15
スケルツォ・タランテラ 0p.16
伝説曲 Op.17
２つのヴァイオリンのためのエチュード・カプリース Op.18
２つの性格的なマズルカ Op.19
「ファウスト」による華麗なる幻想曲 Op.20
華麗なるポロネーズ第２番イ長調 Op.21
ジーグ ホ短調 Op.23
クヤヴィヤク イ短調
Op.14,22はヴァイオリン協奏曲第1,2番ですので，残りはOp.1,2.5,8ですがあるんでしょうか？
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