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ドイツの詩人,リヒャルト・デーメル(Richard Dehmel[1863-1920])によって1896年に書かれた詩集「女と世界」の冒頭の詩「浄夜」(Verklarte Nacht)を題材にシェーンベルクが弦楽六重奏曲として1899年に作曲した曲です.(原文および日本語訳はこちら)1917年には弦楽合奏版に編曲され,1943年に改訂されています.シェーンベルクは無調の十二音技法の創始者として有名ですが,この作品は初期のもので,後期ロマン派の影響を色濃く受けています.単一楽章からなり,詩と対応した5つの部分で構成されます.行きずりの男の子を身ごもったという女の告白を男が許すという月下の語らいを見事に音楽で表現しています.
この曲は,弦楽合奏作品の中では最高難度に属する曲で,アマチュアで演奏するには相当な困難が予想されます.合奏団の目標としたい一曲です.
編成:2Vn, 2Va, 2Vc, Cb
演奏時間:約30分
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