【弦楽合奏曲リスト】へ戻る
作曲家シベリウスはフィンランドに生まれ,北欧の風土に根ざした数々の美しい作品を残しています.ヴァイオリニストでもあったシベリウスは弦楽器への造詣が深く,ヴァイオリン協奏曲の技巧性にその片鱗を伺うことができますが,それ以外に弦楽合奏のための曲も幾つか残しています.その1つ,ロマンス作品42は1903年から1904年にかけて作曲されました.この時期はちょうど交響曲第2番の発表直後で,またヴァイオリン協奏曲の作曲に取りかかっていた時期でもあり,シベリウスの作曲家として充実していた時期に当たります.1904年フィンランドのトゥルクで初演され,その時には単に「アンダンテ」と名付けられていましたが,1908年の出版時に「ロマンス」と改題されています. 北欧の響きの中にも,チャイコフスキーを彷彿とさせるところは,「彼と同じ思いを持っている」というシベリウス自身の言葉に表れています.
編成:2Vn, Va, Vc, Cb
演奏時間:約5分
Capella Istropolitana, Adrian Leaper, NAXOS 8.550330.
【弦楽合奏曲リスト】へ戻る