もうひとつのドッペル?



TOPへ

 皆さん,バッハのヴァイオリン協奏曲をご存知ですか?などとこのページを見ている方に言ったら怒られるかも知れません.ヴァイオリン協奏曲第1番,第2番,そして2つのヴァイオリンのための協奏曲の3曲が残されています.2つのヴァイオリンのための協奏曲は,ドイツ語でDoppel.html Concertoといわれ,「ドッペル」(ドイツ語でdouble,2重の意)と通称で呼ばれることもあります.ヴァイオリンのレッスンにも欠かせない曲で,難易度的にはドッペルのセカンド,ファースト,1番,2番の順で難しくなります.伴奏は弦楽とチェンバロのみで,弦楽合奏の重要なレパートリーのひとつとなっています.

 ところがドッペルといえばこの曲しかないと思っているあなた!実はもう一曲あるのです.それは,2つのヴァイオリンのための協奏曲BWV1060aです.BWV1060ってオーボエとヴァイオリンじゃないの?という方もいると思います.これは,もともと2台のチェンバロのための協奏曲BWV1060を元に復元された協奏曲でオーボエとヴァイオリンで演奏されることがほとんどなのですが,.html オーボエパートはヴァイオリンでも演奏可能で,実際私の見た楽譜にはOboe(Violin)と書かれていました.逆に,ヴァイオリン協奏曲第1番はチェンバロ協奏曲第7番に,ヴァイオリン協奏曲第2番はチェンバロ協奏曲第3番,2つのヴァイオリンのための協奏曲BWV1043は2台のチェンバロのための協奏曲第3番にそれぞれ編曲されています.

 ところが,チェンバロ協奏曲はまだ数曲残されています.もしかして...と気づいた方はするどい!実はこれらは現在は失われたヴァイオリン協奏曲(もしくはオーボエ)の編曲と考えられており,チェンバロ協奏曲第1番BWV1052,第5番BWV1056はそれぞれヴァイオリン協奏曲BWV1052a,BWV1056aとして復元され演奏されています.が,その知名度はBWV1060aと比べ低いようです.更に,3つのチェンバロのための協奏曲BWV1064というのもあり,これは3つのヴァイオリンのための協奏曲BWV1064aとして復元されています.

 復元の際にヴァイオリンかオーボエかの判断が,どういう根拠によるものなのか私は良く知りません.音域や音形から判断してのことなのでしょうか?(バッハに詳しい方,情報お待ちしてます.)

TOPへ


パソコン, スマホ用ページへ